

ベヒシュタインのピアノは、独特の音色と伝統的なベヒシュタイン・サウンドとも呼ばれる響きを持つ珠玉の逸品ばかり。それらは世界に認められた製造技術によって生み出されています。
ベヒシュタイン社は150年の伝統と最新の検証によって、的確な品質を見極める基準と最良の工程を完璧に熟知。ベヒシュタインらしい独特な響きが奏でられるよう、各部にわたって工夫された妥協のない製作がなされています。 また、丈夫で優れた品質は、長い歳月をかけて身に付けた、完璧ともいえる技と知識により保たれているのです。 |
 |
 |
機能上また生産上、品質の平均化を優先する大量生産のピアノ製造とは異なります。ベヒシュタイン社のピアノ製造過程で最も優先されるのは、楽器の個性を作り出すこと。 そもそもベヒシュタインのピアノ製造において、それぞれの部分をパーツとして扱うという概念はありません。楽器全体をひとつのものとして捉えているのです。 一つひとつ材料は吟味され、主要な部分は熟練したマイスターたち一人ひとりの手仕事によって、じっくり時間をかけています。そのため一台一台それぞれに奥深い独特の個性が備わっています。 |
支 柱
弦の張力を支える支柱は、ピアノ全体を如何に響かせるかを確定させる大きな要素のひとつです。位置、素材、角度、鉄骨との接合方法、側板への組み込み等、ベヒシュタイン独自の工法で組み立てられます。 |
|
除響板
ベヒシュタインの透明感ある響きは、響板製造を工夫することによって生まれます。 響板部分には、写真のような三角形の除響板という黒い部分があります。除響板は、響板内での振動の乱反射を避けるために取り付けられます。振動効率を上げることにより、ベヒシュタイン特有の響きを実現しているのです。 |
|
弦設計
ベヒシュタインは他メーカーのピアノよりも全体的に弦の張力を高くしてありますが、これを可能にするのが全体の堅牢な構造です。 特有の透明感や繊細なピアニッシモ、迫力あるフォルテは理想的な弦設計があればこそ実現できるものです。 |
|
他社比較 |
A1=440Hz |
弦 径 |
弦 長 |
張 力 |
インハーモニシティ |
Pleyel 190 |
0.975 |
407 |
752N |
0.56cent |
Steinway A-188 |
0.950 |
391 |
659N |
0.59cent |
Bechstein M-180 |
1.000 |
395 |
750N |
0.70cent |
|
ハンマーシャンク
ハンマーの腕にあたる木の棒の部分をシャンクと言います。ベヒシュタインのアップライトは全てハンマーを取り付ける前にシャンクを石の上に落とし、その打音の高さで3種類に分類します。 高い音がしたシャンクは高音用、低い音がしたシャンクは低音用に使われます。このような目に見えない人の耳を介した作業がベヒシュタインの音づくりの基本です。 |
|
腕 木
アカデミーのアップライトの腕木は、支柱と直接接合されます。 そのため響板から支柱へ、そして腕木から柵板へと弦振動は伝導しやすくなります。すると、鍵盤で音を感じやすくなるので、タッチによる優れた音色の変化を可能にします。 |
|
鉄 骨
弦を支えるフレームは、音響特性が優れる「ネズミ鋳鉄」と呼ばれる鋳物で作られます。デュプレックスシステムを採用したカポストロバー使用のネズミ鋳鉄を用いることでクレッシェンドの広がりが豊かです。 この素材を安定させるために、約一年間、戸外でのシーズニングを行います。自然の環境に放置させることで内部の歪みが十分に取り除かれ、力学的にも音響学的にも理想的な素材となります。大量生産されるピアノではありえないプロセスです。 |
|
|
|

|
|
※当サイト内に掲載されている全ての文章の無断転載、転用を禁止します。